”偽”じゃないほう。神谷バー「電氣ブラン オールド」
皆様、こんばんは。一週間お疲れ様です。
すあまです。
いやはや、なんだか落ち着かない様相ですね
天気も、情勢も。
北海道の建物は密閉度が高いので、意識して換気をしなければなりません。
ぽっかぽかのお部屋に、すうっと冷気の通り道ができるのは
なかなか気持ちの良いものですよ。
時間帯によってはすでに冷蔵庫内よりも寒いので、「短時間でこまめに」が
肝になってきます。ずぼらには厳しい条件です。
たいていは1時間近く放置してしまって凍える羽目になります。
室内にお外のにおいが満ちて面白いので、まあそれはそれでよい。
さて。今回のお酒は予告通り「電氣ブラン オールド」です。
「電氣ブラン」と「電氣ブラン オールド」とあるのですが
わたしのお気に入りは断然オールドです。
皆様、「夜は短し歩けよ乙女」という小説をご存じでしょうか。
我らが森見登美彦先生の著書ですが、
ここに”偽”電氣ブランというお酒が登場します。
電氣ブランを再現する過程で生まれたお酒、という設定です。
わたしが電氣ブランに出会ったのは、この小説が最初でした。
初めて読んだのは高校生の時。わたしにとって”偽”電氣ブランは憧れのお酒。
けれどもそれは、この世に存在しないお酒。
しかし、そのもととなった電氣ブランは実在するとあって、
高校生当時のわたしは大いに夢を見たのです。
そうして成人してやっと、”偽”電氣ブランのもととなった
「電氣ブラン」と相まみえることが叶うのです。
これに合わせるおつまみは……なんでもあいそうで逆に難しかった。
ので特に何も考えず、あるもので作りました。
「おくらトースト」(相変わらず適当ネーミング)
おくらを半分にし、味噌・バター(マーガリンでも)・粉チーズ・にんにくを練り合わせたものを乗せて、トースターでチン!以上!
いつも以上に簡単です。にんにくは風味付け程度、少なめにするのがポイント。
父「これは日本酒だなあ~~~」
わたし「わかる」
ま、でも電氣ブランはなんでもあうので、良しとします。
整いましたぜ!飲む~!かんぱい~!!
ビンの蓋を開けた瞬間からの芳香が……は~~~すき……
普段はストレート派なのですが、ミードと合わせてみました。
レモン果汁もちょっと足してね。
独特の何とも言えないハーブの香り。落ち着く。
この香りの香水が欲しい。ルームミストでも可。
大学3年生の時、わたしは卒論で森見登美彦先生について書こうと考え、
現地調査という名の聖地巡礼旅行をしたときに初めて電氣ブランを頂きました。
そういえば、私の通っていた大学の近くに学生バー(その名の通り学生が経営しているバー)があり、そこの店員さんも森見登美彦先生と電氣ブランが好きということで
わたしのためにわざわざ電氣ブランを仕入れてくれたことがありました。
名前も顔もよく覚えてないけど、彼は元気でしょうかね。
”偽”電氣ブランは、芳醇な香りをもった無味の飲み物だといいます。
口に含むたびに花が咲き、それは何ら余計な味を残さずにお腹の中へ滑ってゆき、小さな温かみに変わります。(「夜は短し歩けよ乙女」P64)
電氣ブランはブランデーにワイン、ジン、ベルモットなどをブレンドしたもの。
電氣ブランも”偽”電氣ブラン同様、なんとも言えない芳香があります。
なんだろう、お花というよりはハーブなのだけど、
お花のように甘やかな香りもする……
ハーブも、カンパリのようにクセの強いものではありません。
ジンの香りを思い出していただければわかりやすいかな。
お腹の底からふくふくと嬉しくなってゆくような、それでいて爽やかさのある
なんとも言えぬ幸福な香りです。
今回は前回掲載したミードと合わせましたが、美味しいに決まっていますね!
見立て通り相性抜群でした。
電氣ブランも味という味があまり感じられません。香りが舌を滑っていく感じ。
ここにミードの甘さが加わり、より柔らかい味わいになりました。
度数が高いので、電氣らしくビリリとする感じがあります。
お酒に強くない方や、刺激が苦手な方は何かで割ったほうがよろしいかと。
個人的におすすめなのはジンジャーエールです。
紅茶の香り付けとしても美味しくいただけます。
「ただ生きているだけでよろしい」(「夜は短し歩けよ乙女」P65)
本当にそんな気持ちになってゆくお酒です。大事にちびりちびり飲んでいるけれど
なくなりそうだなあ~~~
通販でも販売しているようですので、ご興味のある方はぜひ。
そろそろコンビニでも買えるような、馴染みのお酒も飲みたいところですね。
ではまた来週。したらね~
すあま